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補聴器、補聴装置について|沖縄県難聴福祉を考える会

2.補聴器の種類について

補聴器は、“箱型(ボックス型)”、“耳掛型”、“挿耳型(カナル型)”、そして“CIC” (Completely In the Canal― すっぽり耳の中に入ってしまい、真横から見ないと装着しているか否か、わからない)とがあります。
 一般に補聴器は小さくなればなる程、値段が高くなりますが、一般の商品と異なり高いものが良く、安いものが駄目と云うことはありません。どんなに高い値段の補聴器ももその人に合わなければ何の意味もありません。一人ひとり聴こえ方が異なり合っているか否かは本人にしかわかりません。一般に、小さな補聴器は小さいだけにパワーが少なく、種々の調整機能がなくなってくるので、お推めできないことがあります。また聴こえが変化(悪化)してくると、調整機能が少ないと調整出来ず、買い替えと云うことになります。(ボックス型や耳掛型の場合には、多少の聴力の変化に調整により対応出来ますので、大事に使用すれば10年以上使用出来ますが、カナル型などの場合には恐らく聴こえの変化により、買い替えと云うことになりましょう。)
それぞれの補聴器使用の利点・欠点を図にまとめておきます。

いろいろな補聴器とその長短

利点 欠点
箱形 平坦なレスポンス
高出力で使える
マイクを相手の口元にできる
操作・修理が容易
イヤホンが交換できる
電池の入手が容易で安価である
大きくて重い
コードがあり目立つ
体につけると衣服の影響がある
音の入口が耳と離れる
両耳に使いにくい
衣ずれの音が入る
耳掛型 耳の位置で聴くことができる
軽く目立たない
音に方向性がある
両耳使用が容易
ハウリングを生じやすい
着脱しにくい・落ちやすい
高度難聴に使いにくい
汗や水滴による故障がある
箱型に比し高価
電池入手が困難なときがある
挿耳型 耳掛型と同じ利点がある
耳掛型より小型
着脱が簡単
耳介効果がある
耳掛形よりハウリング生じやすい
特性の調整が少ない
出力音圧が小さい
小さいので操作がしにくい
耳穴型 挿耳形と同じ利点がある
小型で見えにくい
軽くて使用感がよい
自然にきこえる
ボリウムの調整がしにくい
イヤモールドを作らねばならない
自分の声がひびきやすい
出力音圧が小さい
骨導補聴器 補聴器の使用がわからない
外耳道が開放
音が静かである
適応は伝音難聴に限られる
乳突部の圧迫感がある
目方が重い
故障が多い
高価である
特性の選択が出来ない
眼鏡型 耳掛形と同じ利点
両耳使用は耳掛形より容易
クロス補聴が容易
眼鏡を外すと一緒にとれる
眼鏡をつくらねばならない
眼鏡が重い
耳掛形より高価

(大和田健次郎 著:補聴器のフィッティングP64 岩崎学術出版社2004)

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