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【論壇】高齢者難聴の放置がもたらすもの

2018年3月27日 火曜日

 日本の認知症の八割は、高齢難聴の放置によると、九州の数施設で実証されて来ている。

 高齢化社会が進行、高齢難聴者が増加している。七十歳以上で約半数が、九十歳以上で殆んどが難聴となる。個人差はあるものの、殆んどの人に起る。

 高齢化率が二十%を越した我が国では、高齢難聴者は全国で千五百~二千万人、当県で十五~二十万人と推計される。このうち、適合補聴器が得られているのは、全国で十~二十%、当県で五~十%、従って大部分の高齢難聴者は聴えないままでいるので、このうちの三~四割、全国で千五百~二千万人、当県で十五~二十万人がコミュニケーション障害より、社会・家族より遊離・孤立、精神的動物の人間は生きがい、生きる意欲を失い、閉じ込もり、寝たきり、認知症などに落込り、要介護状態となる。即ち、これら難聴者の三~四割、全国で四~五百万人、当県で四~五万人が要介護状態にあり、個々の家族で面倒をみる状態でなくなりつつある現在、地域社会か、国が面倒をみることになるので、増税にならざるを得ないし、国債も増えて、次の世代に迄、負担が及ぶことになる。

 この高齢難聴者の大部分は、耳の血管の動脈硬化による音を感じる細胞の障害なので、食事のコントロール、運動の励行により、予防が可能であり、百歳を越しても補聴器不用に出来るし、停止も可能で、同じ補聴器を使うのでも、基本的な聴えが良い方が、補聴器を上手く使えるので、これも重要である。

 “音は聴えるが、言葉がわからない”が高齢難聴者の特徴で、これも耳の血管の動脈硬化による血流障害で、音を感じる細胞に充分血液が流れて行かないため、機能障害を起し、音の大きくなり方、濁り方が変わる。これは測定可能で、正常の人が「1」大きくなったと感じるのが、二~三倍、場合によっては五~十倍となり、音がストレートに入ってこないため、話し言葉の理解力が悪化する。この全体像は言葉の理解力の検査にて、五十音を使って、何%理解出来るかを検査する。

 この音の歪みも、食事のコントロール、運動の励行により、内耳の血液の流れが改善されると改善し得る。

 この啓蒙活動はすでに二十年以上前より、行われているが、殆んど衆知されず、効果が挙がっていないのは何故であろうか!?
県民は当然、特に高齢難聴者、その家族はこれを熟知し、対応すべきである。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授


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  • 投稿日:2018年3月27日 火曜日

【論壇】高齢難聴者不対応がもたらすもの

2018年2月6日 火曜日

 高齢社会が進行、高齢難聴者が急増している。七十歳以上で約半数、九十歳以上で殆んどが難聴になるので、全国で千五百万~二千万人、当県で十五万~二十万人と推測され、これら高齢難聴者のうち全国で十~二十%、当県で五~十%しか適合補聴器が得られていないので、コミュニケーション障害から、家族・社会より遊離・孤立、精神的動物の人間は生きがい・生きる意欲を失い、その三~四割、即ち、全国で四~五百万人、当県で四~五万人が「閉じ込もり」「寝たきり」「認知症」になり人間として生きていないと推測される。

 これら高齢難聴者が適切な時期に、適切な対応を得られれば、コミュニケーション障害が起らず、家族・社会と仲良く付き合い、人生をエンジョイ、亡る直前まで自立、人間としての人生を全うして行けるのに、その対応方法が確立していない我が国では、前述の如く閉じ込もり・寝たきり・認知症にて要介護状態となり(日本の認知症の八十%以上は、高齢難聴の放置によると云える)、個々の家族で面倒が見れる状態ではなくなりつつある現在、地域社会が、国が面倒を見るようになると云うことは、増税になり国民全体の負担となるばかりでなく、恐らく国債も増え、次の世代に迄負担が及ぶことになろう。

 この高齢難聴の大部分は、耳を養っている血管の動脈硬化によると判明して来ているので、四十歳台後半から「食事のコントロール」「運動の励行」により、百歳を越しても「補聴器不要」にできるし、難聴が始っても、そこで停止されることも重要で、同じ補聴器を使うのでも、基本的な聴えが良い方が補聴器をうまく使えるからである。

 「音が聴えても、言葉がわからない!」音の歪みも、これも耳の血管の動脈硬化による血液の流れの障害で、聴えの細胞に血液が充分流れて行かないため、聴覚細胞が機能障害を起して来るものであるから、血流をコントロールし、即ち、食事のコントロールと適切な運動励行にて停止・改善が可能であることも判明して来ている。

 この啓蒙活動、当初十年はボランティア活動として、十三年前よりは特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会」(難聴者の会)とその附属診療所「補聴相談のひろば」として推進されて来ているが、あまり成果が上がっていないのはなぜなのだろうか?

 社会全体は当然、特に高齢難聴者とその家族は熟慮すべきと思う。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授


【論壇】高齢難聴に特徴的な音の歪みー音は聴えるが言葉がわからないー

2018年1月18日 木曜日

 年と共に聴えが衰えてくる。早いか遅いか個人差があるが、殆どの人に起る。七十歳以上で約半数が、九十歳以上で殆んどが補聴器を必要とするようになる。

 この大部分は、内耳を養っている血管の血流障害で、動脈硬化が進むと聴えが悪くなるだけではなく、言葉がわかりにくくなる。
補聴器は音を大きくはするが、この言葉の解りにくさ―音の歪み―は改善しない。

 この音の歪みは、内耳への血流障害により、聴えの細胞の機能障害が起り、音の大きくなり方、濁り方が変わるためである。正常な人が「1」大きくなったなと感じる音が、二~三倍、場合によっては五~十倍、それ以上にもなる。これは測定可能で、代表的な音について判定出来る。そして、その全体像として、言葉の理解力の検査を行うと、正常者は百%解るが、それが七十%、五十%、三十%と悪化し、音は聴えても、言葉が解りにくくなる。

 言葉の理解力が二十%以下になると、補聴器では殆んど言葉を理解出来なくなるが、「人工内耳」の埋め込み手術で、電話でも話しが出来る程になる。条件が整えば福祉対応で自己負担なく受けられるが、高価なものなので、福祉財政が貧弱な我が国では高齢化が更に進み、対象者が増加してくると、どう対応するのか気になる。

 一方、音の歪み度が三十~四十%と良くないのに、言葉の理解度は八十%前後と、データーが平行しない人を時々見かける。これらの人々は、八十歳以上になっても現役であったり、ボランティアなど社会活動を行っている人達で、聴えが悪くなったからと云って、人との交わり方が少なくならないように、積極的に社会に出て、人と良く交わることが重要と考えられる。

 前述の如く、高齢者難聴の大部分は耳を養っている血管の動脈硬化による血流障害と考えられ、従って四十歳台ぐらいから、職場検診や住民健診のデーターを参考に、「食事のコントロール」と「運動の励行」により、「百歳を越しても補聴器不要」は可能であるし、私共の診療所の八~九割の患者さんは、この約十年間、半年毎の検査、指導により、難聴が進行していない!(補聴先進国ドイツは「一年に一度の補聴器チェック」が法律になっているが、これはドイツ人の食生活から当然で、動脈硬化が進むと難聴が進むからである。)
まず難聴にならないように、なったら早期対応して、充実した人生を築いてほしい。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


【論壇】補聴器をつけても、言葉がわからない!

2017年12月5日 火曜日

 高齢社会が進行し、高齢難聴者が増えている。七十歳以上で約半数が、九十歳以上で殆どが補聴器を必要とするようになる。早いか遅いか個人差はあるが、殆どの人がなる。

 そして、補聴器をつけても、音は聴えるが言葉がわからない人が段々増えて来ている。

 これは、内耳の音を受けとる細胞の機能障害によるもので、音の「歪(ひず)み」、即ち聴覚細胞の障害(殆どが動脈硬化による血流障害と考えられる)により、音の大きくなり方、濁り方が変り、音が聴えても、言葉がわからなくなるためである。

 この音の歪みは、測定可能で、この高さの音は正常音の何倍になっているか、数字で示すことが出来るし、その全体像として、言葉の理解力の検査を行うと、正常では百%だが、それが七十%、五十%、三十%と、年齢と共に悪化して行く人が殆んどである。

 補聴器は、音を大きくするが、この言葉の理解度までは改善できない。

 近年、高齢化が進行し、音は聴えても、言葉がわからない高齢難聴が増えて来ている。

 言葉の理解力が二十%以下となると、補聴器をつけても、言葉が全くわからなくなるので、「人工内耳」と云うことになるが、現在の日本の規準では両耳聴力が九十デシベル以上で、言葉の理解力が二十%以下になると、福祉対応の自己負担なしで、手術を受けられる。

 この人工内耳は、機器が高価なので、福祉財政が貧弱な我が国では、高齢化が進み対象者が増加する可能性の高いと思われるので、どう対応するのか!?

 二〇〇一年のドイツの学会に出席した際、九十歳以上の患者に人工内耳手術を行ったら、保険が支払わなくなった(ドイツは医療保険が支払う)ことが問題となり、討議の末、「医師がその人の人生に必要と判断した以上は支払うべき」と学会で決定したことを覚えているが、最近は両耳に人工内耳手術を行っても、保険は支払うべきと決定されたことが学界誌に記載されている。

 このように救済措置はあるが、言葉の理解力が悪くならないようにすること、難聴にならないようにすることが第一である。そして、それは内耳動脈の硬化による血流障害が大部分なので、食事のコントロールと運動の励行により「百歳を越しても補聴器不用!」となるよう、四十歳台後半から、職場検診、住民検診などで、自身の健康状態を把握、摂生することが重要である。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


【論壇】聴覚障害による身体障害者の認定と支給補聴器の更新について

2017年11月29日 水曜日

 
 聴えのレベル、また言葉の理解度が、国の定めた基準以上に悪くなると、「聴覚障害による身体障害者」に認定され、五年毎に補聴器を支給してもらえる。

 この認定申請診断書を作成する際に、再認定の時期を記載するようになっており、五年後の補聴器支給更新を目途に記載している。

 この五年後の補聴器更新は、補聴器の耐用年限と云うより、聴覚の悪化を前提に決められていると思われるが、先般那覇市在住の「聴覚障害による身体障害者」に、“五年後”の再認定の時期を過ぎても、補聴器更新の手続きがなされていないとの通知を那覇市役所から受けた由、このような催促の通知を見たのは初めてだったので、身体障害者の福祉が後退しつつあるように感じられる昨今、非常にすばらしいことと感心させられている。

 聴覚障害による身体障害者の認定は、両耳の聴力がそれぞれ七十㏈(デシベル)以上で六級、八十㏈以上で四級、九十㏈以上で三級、百㏈以上で二級、また言葉の理解度(語音明瞭度(日本では五十音を使用して行う)が両耳共に五十%以下で四級に認定される。他に身体障害がある場合には、それぞれの等級の指数を合算して、等級を決定し、これが高度の時には障害年金が支給されることもある。

 高齢者難聴は一般に年齢進行と共に悪化して行く、しかし、近年、高齢者難聴の大部分は、耳の血管の動脈硬化と判明、従って「食事のコントロール」と「運動励行」により、難聴が進行しなくなっている。私共の診療所では、六ヶ月毎に聴覚分析を行い、これにより具体的な指導を行っているので、この約十年、八~九割の患者さんの難聴悪化は防止されている。私共が六ヶ月毎の聴覚チェックを行っているのは、補聴行政が最も進でいるドイツを参考にしている。ドイツでは一年に一度の補聴器のチェックが法律になっている。これを私共の近年の知見からみると、ドイツ人の食生活はカロリーの高いものを多く摂取しているため動脈硬化が進行、難聴も進行すると思われる。一度駄目になった聴覚細胞は回復しないので、私共の所では音の歪みなどを半年毎にチェック、厳重注意、指導して聴覚を悪化させないようにしている。
 
 まず難聴にならないように(動脈硬化予防にて「百歳越しても補聴器不要」は可)、なった時は適切な分析検査を受け、適切な対応にて、寝たきり、認知症などにならず、人間として充実した人生を生き抜いてほしい。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


【論壇】聴覚障害による身体障害者の補聴器支援とその更新

2017年7月14日 金曜日

 先般、那覇市在住の「聴覚障害による身体障害者」に、「身体障害者手帳の再認定について」市役所より通知があった。

 確かに、私共が「身体障害者認定申請診断書」を作成する時、「再認定」を何時行うか記載するようになっているので、補装具(補聴器)更新の“五年”を目途に記載して来たが、今迄五年後の更新時に更新手続きが行われていないと、催促の通知を受けたのを知ったのが初めてなので、身体障害者の福祉が後退しつつあることが感じられる昨今、非常にすばらしいことと、感心させられている。

 「聴覚障害による身体障害者の補聴器支給」の五年毎の更新は、補聴器耐用年限と云うより、聴力悪化を前提に決められて来ていると思われるが、近年高齢社会が進行、年齢変化による難聴並びにその進行(近年、その大部分は内耳の血管の動脈硬化による血流障害と判明)停止できるようになって来ているので、私共NPO法人では、食事のコントロールと運動励行にて、動脈硬化が進まないよう、即ち難聴が進まないように、六ヶ月毎の聴覚分析を行い、具体的な指導をして来て居り、これを守っている患者さんは聴覚が悪化しなくなるのを確認している(補聴器行政が一番進んでいるドイツでは年一度の補聴器チェックが法律で制定されているが、現代の私共の知見より、彼らの食生活から動脈硬化が進行するので、難聴が進行し、補聴器の調整が必要になってくるのは、頷ける)。

 聴覚障害による身体障害者認定は、両耳の聴力がそれぞれ七十㏈(デシベル)以上で六級、八十㏈以上で四級、九十㏈以上で三級、百㏈以上で二級、また両耳の語音明瞭度(言葉の理解力。日本では五十音を使用)が両耳共に五十%以下になると、身体障害者四級に認定され、補聴器が支給され、五年毎に更新される。

 他の障害がある時には、それぞれの等級に指数があり、これを合算して等級が決定され、障害年金が支給されることもある。
 
 当県では、この聴覚書障害による身体障害者認定率は、医療の充実の経緯により他都道府県の五十%と低いので、認定を推進すべきと思っているので、地域の実情を把握している民生委員の方々などは、地域に衆知してほしいと思う。

 前述の如く、年と共に起る難聴の大部分は、耳の血管の動脈硬化と判明して来ているので、まず難聴にならにように、なったら適切な検査を受け、対応してほしいものである。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2017年7月14日 金曜日

【論壇】補聴器活用の重要性

2017年6月16日 金曜日

 一般に、年と共に聴えが衰えてくる。七十才以上で約半数が、九十才以上で殆んどが補聴器を必要とするになるので、高齢化社会が進行した現在、膨大な数になっている。

 しかし、難聴を自覚し始めても、補聴器をつけたがらない人が多い。恥ずかしいから、格好が悪いとか、人に“ミンカー”と云われたくないとか、補聴器は高いし、購入しても、うまく使えないなど評判が悪いからなど!!

 このようにして聴えないままでいると、周囲から段々相手にされなくなり、友人も減って行き、いずれは社会・家族より遊離・孤立し、閉じ込もり、寝たきり、認知症などになり、要介護状態になり易くなる(日本の認知症の八割は高齢難聴者の放置によると考えられる、従って、これを充分理解し、自分を認知症などに追い込まないようにしてほしい)。

 まず、この高齢者難聴の大部分は、耳を養っている血管の動脈硬化によるものなので、予防が可能である。従って、理想的には、五十才台後半ぐらいからは、自覚はなくても、聴覚分析を受け、動脈硬化による変化が始まっていれば、それに応じた対応をしていると、私共が現在提唱している“百才を越しても補聴器不要”が可能となろう!

 補聴器の要否は、補聴器の貸し出しを受け、あった方が良いかを判定すると良い。

 補聴器があった方が良いと感じた時は、メーカーにより音質が異なるので、どの社のものも同じと云う人もないではないが、貸し出しを受け、どのメーカーのものが合うか確認する(県内には日本の代表的補聴器十二社のものを順繰りに貸し出すところもある)。

 補聴器を付けたら若い時に戻るわけではない。まず、補聴器の使い方を良く指導してもらう(選別の段階により始っているが)、特に電話は補聴器により、音の取り入れ場所が異なるので、それに合わせなければならない。

 電話やテレビの音が、補聴器だけでは不充分な場合は、集団補聴装置の磁気ループなどがあり、補聴器を磁気ループ用に切り替えると(日本の補聴器の半分にこの切り替え装置がついている)。約一万円程度の費用で整備、電話で話が出来、テレビの声を家族と同じ音量で聴えるように出来る (県内には体験者が補聴器の使い方や、磁気ループ設置などをアドバイスしてくれるところもある)。

 長寿社会、百歳は当り前、百二十才迄は可能性があるので、それまで自立して、人間としての人生を全うしてほしいものである。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


【論壇】聞こえが悪くなったら、どう対応すべきか!

2017年5月25日 木曜日

 年と共に聴えが衰える人が多くなる(七十才以上で約半数、九十才以上で殆んど)。

 しかし、補聴器をつけるのは恥ずかしいし、年寄と思われたくないと忌避する。また、高価で、評判が良くないと購入しない。

 このようにして、聴えが不自由なままでいると、コミュニケーションが悪くなるので、友達がいなくなる、家族も段々相手にしてくれなくなり、一人きりになり、閉じ込もり、寝たきり、認知症など、人間として生きて行けなくなり、要介護状態となる。

 高齢化社会が進行し、このような人が急増し、御本人が気の毒であるだけでなく、その面倒を見る人が必要となり、家族・社会に大きな負担となって来ている。

 現在、高齢難聴者は、高齢化率により推計して一千五百万人~二千万人と推定され、補聴器の使用状況は全国で十~二十%、当県で五~十%と、殆んどが聴えないままでいるので、とても深刻な状況にあるが、当事者の難聴者・その家族を中心に、社会も全く関心がないので、十年後には国民の五~六人に一人は要介護状態になり得ると推計し得る。

 まず、高齢難聴にならないように!近年「高齢難聴の大部分は、耳を養っている血管の動脈硬化」と判明して来ているので、食事のコントロールと適切な運動で回避されよう。

 現在、私共NPO法人の掲げている「百歳を越しても、補聴器不要!」を実現にすること、即ち、五十才台くらいから、職場検診や住民健診などのデーターを注目し、動脈硬化が進まないようにすることが重要である。

 もし、聴えがおかしいと思ったら、すぐ耳鼻科医の診断を受け、適切に対応すること(早期発見・早期対応)が重要である。これにて、人生はそのまま継続、人によっては発展させることも出来る。

 補聴器はただ付ければ良いと云うものではない。メーカーにより音質が異なるので、どのメーカーのでも良い人はそう多くない。(日本に主に流通する十二社の補聴器を用意して対応するところもある)。

 そして、一人ひとり聴え方が異なるので、これを正確に測定し、その聴えに補聴器を調整してもらうこと、そして貸し出しを受け、自宅、職場などでも確認し、聴え方に満足するまで何度でも通うことが必要である。

 まず難聴にならない。なったら適切に対応し、充実した人生を全うしてほしいものである。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)

 


【論壇】補聴器をつかいこなすために知っておきたいこと

2017年5月10日 水曜日

 高齢化社会が進行、高齢難聴者が増えている。七十才以上で約半数が、九十才以上で殆どが補聴器を必要とするようになる。早いか遅いか個人差があるが、殆どの人がなる。

 そこで、補聴器と云うことになるが、補聴器はただ付ければ良いと云うものではない。

 メーカーによって音質が異なるので、どれでも変りないと云う人もあるが、その補聴器で良いのかどうかは、御本人にしかわからない。
そこで、まず聴え方を正確に測定し、それに合うよう補聴器を調整し、貸し出しを受け、そのメーカーのもので良いかどうか確認する必要がある(県内には、日本に流通する十二社の補聴器を貸し出すところもある)。

 次に、補聴器の種類により異なるが、その装着の仕方や調整の仕方、また電話の使い方(補聴器により、音を取り入れる部位が異なる)など、よく指導をしてもらう(装用指導)(県内には体験者が色々とアドバイス・指導をしてくれるところもある)。

 難聴が進んでいる時には、家族や周囲の人達がこれをよく理解し、特に当初はなるたけ真正面から、必要により口唇が見えるようにして、ハッキリ、ユックリ話してあげる必要がある。(絶対怒鳴ってはいけない!聴いてやるかとの気にさせてしまう可能性がある!)。

 補聴器を装着したら、若い時に戻るわけではない!補聴器の限界があり、一般に五メートル以上離れると、良く聴き取れない。従って講演会などでは話し手の五メートル以内にいること、大きな会場でスピーカーが何処に設置されているかを聞いて、その五メートル以内に入るようにすると良い。
 
 これを解決する“磁気ループ”と云う集団補聴装置などがあり、マイクの声を直接補聴器の中に入れられる(日本の補聴器の約半数にこの切替装置がついている)。(集団補聴には、赤外線方式やFM方式もあるが一般に実用的ではない)。

 この磁気ループはテレビや電話に一万円以内の安価な装置で活用でき、前述の体験者が設置まで協力してくれるところもある。
近年、高齢者難聴の大部分は、耳を養っている血管の動脈硬化であることが判明して来ているので、難聴になってからではなく、五十才台頃より聴覚分析を受け、百才を越しても難聴にならないように指導してもらえるし、悪くなっても、悪化させないようにでき、補聴器の買い替えをしなくて済むようにできる。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2017年5月10日 水曜日

【論壇】集団補聴装置・磁気ループの社会整備の重要性

2017年4月7日 金曜日

 マイクの声を直接“補聴器”の中に入れる〝磁気ループ〟と云う集団補聴装置がある。

 我国では難聴者の集まりなどで使われるが、殆んど知られていない。しかし、欧米先進国では、集会場、講演会場、劇場、音楽会場などに設置されているのが常識で、難聴になってもお芝居などを楽しんだり、また、役所、銀行、病院などの窓口に設置されているので、一人で物事を処理出来るようになっていて、難聴者が自立できるようになっている。

 高齢社会が進行、高齢難聴者が急増の現在、この社会整備は非常に重要である。

 集団補聴装置には、磁気ループ以外に、赤外線方式やFM方式もあるが、それぞれ個々に高価な特殊な補聴装置が必要で、磁気ループでは、一般に使われている補聴器を磁気ループ用に切り替えれば良い(日本の補聴器の半分以上に切り替え装置がついている)ので、安価で早道である。

 国際磁気ループ会議が先進十五カ国を中心に、毎年開かれているが、補聴器の普及が悪い我国にお呼びがかからず、日本の学会も関心がないようで出席を要望しているが、未だに代表を送れない状況にある。

 この国際会議が二〇〇九年の会議で、①補聴器や人工内耳には、磁気ループ対応の“Tコイル”を装置すること、②公共施設に磁気ループ対応装置を設置することを義務化する(いくつかの先進国では、法律で決めている)、③耳鼻咽喉科医師並びにその関連者は、“磁気ループの利便性”を説明すること、④駅など交通機関の案内に磁気ループを活用すること、などを決定している。

 “磁気”というと、心臓のペースメーカーに影響するのではと心配する人が多いが、極く微量な磁気なので、影響は全くなく、安全なものである。

 この磁気ループは、テレビや電話などに設置することにより、家族と一緒にテレビを楽しんだり、核家族が多くなった現在、電話での連絡が可能となる(費用は一万円前後)。

 私共の診療所の待合室には、当法人の役員が、経験者として補聴器装用指導を行ったり、磁気ループなどの説明・指導・貸し出しをして、実際に活用出来るかを確認してもらったり、必要により設置協力を行っている。

 最近、この磁気ループをバスに設置することが可能となって来たので、観光バスに設置し、沖縄観光の推進の一助にしてはと、関係者と検討中である。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


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  • 投稿日:2017年4月7日 金曜日
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