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医学判定による補聴器購入は医療控除の対象となる

2007年12月14日 金曜日

 高齢社会が進行、難聴高齢者の増加が著しい。70才を越すと約半数が90才以上で殆どが補聴器を必要とするほどになるので、高齢化率が20%を越えた我が国では、その約半数が難聴と推定されるので、全国で1千万人を、本県では10万人を越えよう。

 しかし、補聴器の評判は非常に悪く、必要な人の5~10人に一人(本県では10~20人に1人 ー当県の某市の実態調査で証明されている)と殆ど使われていない。

 従って、この20年、補聴器の販売台数は、高齢化率が上昇、難聴高齢者が増加しているにも拘らず年間40万台程度で、近年やっと40万台後半になりつつある程度である。

 従来、難聴者は人口の4%と云われていたが、近年の高齢化率の高騰で人口のほぼ10%となり、従って補聴器販売台数は2.5倍に、我が国は殆ど一側使用なので、欧米先進国並に両耳装用となれば、約5倍になることになるが、この数字をみても如何に使われてないかがわかろう。

 経済大国と云われても、庶民にその実感はなく、大部分の庶民には「補聴器は高価で、しかも有用に使えないものーガアガアうるさいばかりで頭が痛くなり、言葉がわからないからイラナイ!-と」との認識が定着しているからであろう。

 こうなってしまったのは、商売としての補聴器販売を官庁が監督して来なかったこと、また医師が指導性を発揮出来なかったことにより、特に当県では専門医が充分でなかったので、直接販売店で買う習慣がついてしまっているからであろう。

 本来、補聴器は医学判定の元に装着すべきもの(欧米先進国では、医師の処方箋がないと補聴器は購入できない)で、耳垢がつまっても難聴となり、除去したら補聴器が不要になった例も多い。その他、外耳、中耳、内耳、聴神経領域の種々の疾患があり、それを治癒・改善させてから、又は治療と並行して補聴器が装着されるべきものである。

 難聴の程度・内容により聴覚障害による身体障害者に認定され、補聴器が支給される(昨年の4月の「身体障害者自立支援法」により、1割負担となるー5~7万円の補聴器が1割負担で入手でき、規定外の補聴器の場合、その差額を支払えば入手できる)が、これは難聴者の15~20%なので、その他は自費購入となる。補聴器購入の時、医師が「コミュニケーション障害の解消」のため、補聴器が必要との診断書を添付すると、医療控除の対象となる。

 このようなこともあり、前述のように、まず医師の診断を受け、その指示により補聴器を購入すべきである。

 「薬事法の改正」、「特定商取引に関する法律等の改正」、また「補聴器相談医政度」の制定など、本人が適切に対応すれば適合補聴器が得られる時代になっている。

 難聴になっても、適合補聴器を獲得し、充実した人生を全うしてほしいものである。


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  • 投稿日:2007年12月14日 金曜日

元気を取り戻す難聴高齢者

2007年12月3日 月曜日

 年と共に聴えが衰える高齢難聴者が増えている。

 早いか遅いか個人差はあるが、70才を越すと約半数が、90才以上で殆どが補聴器を必要とするようになる。この数、高齢化率が20%を越えた我国では、その約半数が難聴なので、全国で1千万人、当県でも10万人を越えると膨大な数になって来ている。

 この老人性難聴は、耳を養っている血管の動脈硬化であることが判明、他器官の老化と変りないことがわかって来ている。従って、日々の食事のコントロールと運動などにより、難聴を予防・進行停止が可能となるばかりでなく、音を感ずる細胞を養っている血管の血液の流れの改善により、音を感じる細胞に充分酸素と栄養が供給され、その機能が回復し、音の歪(ひず)みを起す障害が改善され、音がストレートに入るようになり、年齢と共に起って来る聴えの障害のもう一つ、「何か云われているが、言葉がわからない!」と云う言葉の理解の障害が改善され、言葉が良くわかるようになり、確かに若い時には戻らないが、それに近い状態に回復してくるので、難聴高齢者が補聴器の有無にかかわらず、言葉の理解が増し、大変明るくなり、人生を楽しんでいる様子で、ニコニコして元気になるのを良く見掛けるようになって、最近の難聴・補聴器外来が楽しく、明るくなっている。

 実際、この音の歪みの状況は測定され、数字で表されてくるので、その総合としての言葉の理解度の検査(日本では五十音の聴き取り検査として行われる最良語音明瞭度検査)、その理解度のパーセントと共に、半年~一年毎に経過を追うと、その改善の度合いが数値として出てくる。(勿論、その歪みの度合いによりそれぞれの高さの音ー周波数ーの補聴器の調整具合も変ってくる。)

 これに加え、法律の改正(�薬事法の改正・厚生労働省・平成17年4月、�特定商取引に関する法律等の改正・経済産業省・平成16年11月)や制度制定(補聴器相談医制度・日本耳鼻咽喉科学会・平成18年4月)により、適合補聴器を得られ易い状況になって来ているので、前述の音の歪みの改善と共に、1人ひとり異なる聴えに適合された補聴器の使用による相乗効果により(適合補聴器を獲得し、何とかわかろうと一生懸命聴いている人は、補聴器を良く使いこなすようになり、言葉の聴き取りが上手になるので、言葉の理解力が改善してくる)、生活の内容が改善し、豊富となり、人生を楽しんでいる様子が表情にも出てくる人が多くなって来ている。

 高齢社会が進行、すでに膨大な数になっている難聴高齢者も前述のように対応、人生を継続・発展させ、コミュニケーション良好で、家族・社会と仲良く付き合い、亡くなる直前まで自立、人生をエンジョイし、人間としての一生を全うし、間違っても補聴器を使えず聴えないままいて、閉じ込もり、寝たきり、認知症など、人間として生きて行けないも人が1人でも少なくなってほしいものである。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2007年12月3日 月曜日
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