■ 月別アーカイブ: 2月 2008

難聴高齢者の閉じ込もり・寝たきり・認知症ー早期対応への聴覚住民検診の重要性ー

2008年2月19日 火曜日

 高齢社会進行の我が国で難聴高齢者の増加が著しい。

 70才以上で約半数が難聴となるので、高齢が20%を越えた我が国では、その半分が難聴で、全国で1千万人以上、当県で10万人以上と推定され、膨大な数になっている。

 しかし、難聴者は五体満足で人目につかない。そして、コミュニケーション障害で人の前に出なくなるので、社会はこれに気付かず無関心のままである。

 難聴には補聴器と云うが、我国の補聴器の評判は非常に悪い。平成17年4月の薬事法の改正(厚生労働省)や、平成18年4月よりの補聴器相談医制度(日本耳鼻咽喉科学会)などにより、一人ひとり異なる聴え方に補聴器を適合出来ることになっているが、補聴器不評は改善されず、必要な人の5~10人に1人(当県では10~20人に1人・当県某市の実態調査で実証)と殆ど使われて居らず、結果コミュニケーション障害から家族・社会より遊離・孤立し、閉じ込もり、寝たきり、認知症に繋がる可能性が高くなり、人間として生きて行けなくなる。これにより、老人医療費・介護費の増加を招き、消費税など、増税が当たり前のようになっていることに、殆どの人が気付かず、止むを得ないと諦めている。

 この対応としての「難聴高齢者の早期発見・早期対応」を提唱、65才以上で毎年聴力検査を、いずれ住民検診に組み込むべきと、関心ある12市町村の自治会、老人クラブなどに出張、聴力検査と共に耳の健康・補聴器の実情に関する講話など、過去2年間に百ヶ所以上を行って来たが、これに対応して住民検診を検討し始める市町村が出ていることは非常に心強い(本年度は県社会福祉協議会の推薦で独立行政法人”福祉医療機構”より補助金が支給されているが、例外的に次年度も引き続き支給が内定、”住民検診に向けての活動を活発化するよう指示を受けている)。

 聴えに不自由し出したり、また周囲の人が不自由し出したら、適合補聴器にてすぐ対応すべきで(いよいよ聴えが悪くなってからだと補聴器をうまく使いこなせないし、使う意欲がなくなっている人が殆どーコミュニケーション障害から生きて行く自信を失い、生きて行こうと云う意欲も失っているためと思われるー)、これにより大統領時代に補聴器を装着していたレーガン、クリントンなどのように、人生はそのまま継続、人によっては発展もさせられ、コミュニケーション良好にて家族・社会と仲良く付き合って行け、正確な情報が得られるので、その時代にマッチした人生を模索、亡くなる直前まで自立、人生をエンジョイし、人間としての人生を全うすることが出来るようになる。

 寝たきり、認知症など人間として生きていないのと、人間として人生を全うするのとでは一人ひとりにとっては、非常に大きな差であると同時に、人間として前向きに生きて行けるようになれば、元気が出るので老人医療費は軽減され、介護費も減少し将来は殆ど不要となり、介護保険は不要となろう。

 こうなれば、増税ではなく、減税と云うことになろうし、国債、県民債、市町村民債は軽減され、将来への不安から元気がなくなってしまっている我国の若者が明るい未来に夢を描けるような社会となろう。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2008年2月19日 火曜日

高齢社会に増える難聴高齢者対策 -家族・社会の対応の重要性ー

2008年2月4日 月曜日

 年と共に聴えが衰えてくる。早いか遅いか個人差があるだけで、殆どの人に起る。70才以上で約半数が補聴器を必要とする程になるので、高齢化率が20%を越えた我国ではその約半数が難聴で、全国で1千万人を、当県でも10万人を越え、膨大な数になっている。

 しかし、殆どの人がこのように多数とは気がついていない。自分の周囲の父母、祖父母、叔父、叔母などにいるが、それは自分の周囲の極一部のことと思っている。

 確かに難聴者は、視覚障害や肢体不自由者のように、目に見えない。そればかりでなく、人とのコミュニケーションがうまく行かなくなるので、人に話しかけられないよう、人前に出なくなる。そして何の対応もしないと、閉じ込もり、寝たきり、認知症などに繋がる可能性が高くなり、人間として生きて行けなくなる可能性へと追い込まれて行く。前述の如く膨大な数なので、これに対応しないと、老人医療費・介護費に係る重大問題なのに、現在殆ど関心を持たれていないので、増税など社会負担が急増するのを避けられない状況にあることは、実に困ったことである。

 一言二言話すと難聴・難聴気味がすぐわかることなので、周囲の人がわかり易いように真正面から口をみせて、ハッキリ・ユックリ話す心遣いが必要だし、それでも本人並びに周囲の人が会話に不自由な時には、一人ひとり異なる聴え方に適合・調整した補聴器などを得られるように対応してあげる必要がある。

 薬事法の改正や補聴器相談医制度の発足など、適合補聴器が得られ易くなっているので、情報社会、それら可能にする施設を検索し、充分対応してあげてほしいものである。

 補聴器は長い間、販売規制などなく単なる商品として売られていたため、購入しても不適合のため使えず、評判が非常に悪かったのも事実だが、難聴者当人も良く聴えないからと簡単に諦めないで、医師、業者にどのように具合が悪いのかを訴え(聴え方は一人ひとり異なり、どの高さの音がどのくらい聴えないだけでなく、内耳の約1万の聴覚細胞の音の歪(ひず)みー音の大きくなり方、濁り方が変って来るーのため音は聴えても言葉がわからないことが起り、基本の周波数(音の高さ)についてはその歪み度は測定出来るが、1万個は測れず、これは当人の音感覚と云うべきもので当人しかわからない)、良く抵抗なく聴えるようになるまで訴え続けないとならないし、周囲の人も日常生活が改善されるほどに良く会話が出来るようになるまで訴え続けさせるようにしてあげなければならない。

 このように、聴え方が不自由し出したらすず対応し、人生をそのまま継続・発展させ、コミュニケーション良好で、家族・社会と仲良く付き合い、人生をエンジョイし、亡くなる直前まで自立、人間としての人生を全うしてもらうことが可能で、これにより老人医療費が減少し、介護費が殆ど不要になり得ることが可能なことを知るべきである。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2008年2月4日 月曜日
最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー