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難聴には自己責任で対応、適合補聴器にて「人間としての人生」を全うしよう!

2008年6月16日 月曜日

高齢社会が進行、難聴高齢者も膨大な数に増加しているが、補聴器が不評なためか、この活用をあきらめ、聴えないままで、コミュニケーション障害から、家族・社会より孤立・遊離し、閉じ込もりになり、寝たきり・認知症に陥入り、人間として生きて行けなくなる人々が未だに多く、家族・社会も年を取れば聴えなくなり、そうなるのが当たり前と無関心の状態になっていることは、実に悲しいことである。

 時代が変り、業者や家族などにまかせるのではなく自分がしっかりして、自分の聴えに合った、自分が生活や社会活動に不自由しなくなるように補聴器を選別して行けるし、法律的にも(�薬事法の改正ー補聴器は管理医療機器に規定され、販売規制と共に業者に補聴器適合の義務・責任が生じているなどー、�特定商取引に関する法律等の改正ー高齢者が訪問・通信販売などで、悪質なトラブルに巻き込まれた時に救済する、いわゆるクーリングオフなどー)、また制度的にも(「補聴器相談医制度」-日本耳鼻咽喉科学会)、これをサポートし、適合補聴器が得られ易い時代になって来ている。

 これらを踏まえて、聴えに不自由を感じ出したらすぐ対応すべきである。本当に悪くなってからでは、補聴器をうまく使いこなせなかったり、補聴器を使おうとする意欲も失われていることが多い。恐らく、コミュニケーション障害から、生きて行く自信を失い、人生に希望を失い、生きる意欲がなくなって行くからであろう。

 そこで、”難聴高齢者の早期発見・早期対応”を提唱、65才以上で毎年聴力検査を、いずれ”住民検診”に組み込み、悪くなり出したらすぐ対応することを提案している。

 補聴器選別に当たっては、まず貸出を受け、まず必要か否かの検討と共に、各家庭・職場などの環境音により、雑音、音の響きなど自分が抵抗なく聴え言葉がよくわかるように何回でも通って調整させ、最終的にはメーカーによって音質が異なり、音の感覚など一人ひとり異なるので、この補聴器はどうもとか、この補聴器は気持ち良く聴えるなどよくあることなので、よく聴き較べてから、購入を決定すべきである。

 購入したら、それで終りではない。何かおかしかったら、すぐ調整させるべきで、遠慮しないで、何回でも訴え、調整させるべきである。また、説明書などで、すぐ使いこなせる人もあるが、集会、講演会や電話の使い方など、特殊な使い方を含め、装用指導(補聴器を使いこなすための指導)も受けるべきで、欧米の補聴器販売店には、これのための訓練室か教室があるのが普通と聴く。

 うまく使いこなせていて、調子が良くても、聴え方が変る方もあり、補聴器は器械なので半年~1年に1度のチェックを行う必要があり(ドイツでは、これが法律になっている由)、常に最良の状態にしておく必要がある。(新元 庄一郎 :当法人副理事長、 那覇市難聴福祉を考える会会長)


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  • 投稿日:2008年6月16日 月曜日

著しい聴覚障害者の増加 ーその内容・程度により対応が異なるー

2008年6月2日 月曜日

 高齢社会が進行、70才以上で約半数が補聴器を必要とする程になる(老人性難聴)ので、高齢化率が20%を越えた我国では、全国で1千万人 以上、当県でも10万人以上と膨大な数になって来ている。

 これに対し若年時よりの難聴、特に生まれつきの高度難聴・聾(聾で生まれた時には適切な言語訓練を受けるか、また近年実用になって来た人工内耳や脳幹インプラントを埋め込み聴えを獲得できるが、言語を獲得できなければ、手話、要約筆記などの対象者となる。

 この手話などを必要とする高度難聴・聾は全国で約10万人(厚生労働省統計)、当県では先天性風疹症候群聾約4百名を含めて千数百人で、その対応は各市町村の手話サークル活動などが活発で対応人数も多 く、講演会などでは必ず手話・要約筆記で対応され、また診療などには手話・要約筆記者が付き添い、支障がないよう対応されていることは、実にすばらしいことである。

 これに対し、後天性難聴、特に前述の膨大な数の老人性難聴への対応は殆どされていないし、関心も持たれていないと言える。

 これに対応する補聴器は;、補聴器を適合(一人ひとり異なる聴え方を正確に測定して、それに合うよう補聴器を調整する)するシステムがなかったため(平成17年4月に「薬事法」が改正され、補聴器は管理医療機器に規定され、業者に補聴器適合の義務・責任が生じているし、平成18年 4月より「補聴器相談医制度(日本耳鼻咽喉科学会)」も発足し、本人が人まかせにしないで、真剣に適合補聴器を得ようとすれば得られる時代になっている)、補聴器を必要な人の80~90%、当県では90~95%は適合補聴器が得られず、聴えないままでいるので、コミュニケーション障害より、人と話せなくなり、人に会わなくなり、閉じ込もりになり、寝たきり・認知症などに、恐らく前述の膨大な数の30~50%は寝たきり・認知症など、”人として生きていない”状況にあると思われる。

 老人性難聴は、近年耳を養っている血管の動脈硬化と判明、従って予防・進行停止が可能で、血流改善で音の歪(ひず)み(音の大きくなり方、濁り方が変り、音が聴えるが何を言われているのかわからなくなる)も改善し得る。そして、近年私共が提唱している「難聴高齢者の早期発見・早期対応」(いよいよ聴えが悪くなってからでは、補聴器を使いこなせないし、使う意欲がなくなっているため)、65才以上で毎年聴力検査を、いずれ住民検診に組み込み、早期に対応すると、レーガン・クリントンのように人生はそのまま継続、人によっては発展もさせられ、コミュニケーション良好で家族・社会と仲良く付き合い、人生を楽しみ、”人間としての人生を全うする”ことができるので、高齢になって難聴となっても、寝たきり・認知症に追いやらないで、殆どの人が「人間としての人生を全うできる」社会にすべきである。


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  • 投稿日:2008年6月2日 月曜日
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