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【論壇】補聴器のリサイクル運動

2013年7月25日 木曜日

 高齢化社会が進行し、高齢難聴者が増えて来ている。七十歳以上で約半数がなるので、その数は膨大である。
 難聴になれば、コミュニケーション障害解消のため、補聴器を必要とする人が多くなるが、高価で購入できない人も多い。
 そこで、私共の“難聴者の会”「特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会」は、活動開始した1993年3月3日「耳の日」より、補聴器適合運動を行うと共に、補聴器のリサイクル運動も展開、不要になった補聴器の寄付をお願いし、購入できない方に提供するようにして来ているが、その数は充分ではない。
 新しく補聴器を購入し不要になったもの、亡なった方のもの(多くの地域では“三途の川”を渡る時、聴えないと困るだろうと、お棺の中に入れることが多いようだが、沖縄ではそうではないようなので)などを提供してもらえると喜ばれ、元気になる方が多くなる。
 補聴器は単に着ければ良いと云うものではないのも事実である。一人ひとり聴え方が異なるし、メーカーにより音質が異なるので、どの補聴器がその人に良いかは、本人にしかわからない。従って、なるたけ多くの補聴器が提供されれば、その人に適合した補聴器の選別ができる。
 年齢が進んで聴えないままでいると、コミュニケーション障害より、家族・社会より遊離・孤立し、精神的動物である人間は生きがいとか、生きて行く意欲を失い、閉じ込もり、寝たきり、認知症などになる可能性が高くなり、その数も膨大になりつつある(高齢化率が20%を越した我国では、報道されたように約2千9百万人の高齢者が居り、その約半数が難聴なので、その数は膨大で、しかも補聴器の使用率が全国で10~20%、当県で5~10%と、大部分は難聴のままで居り、これらが寝たきり、認知症の予備群で、その3~4割は要介護状態にある)。
 従って、不要補聴器を高齢難聴者に提供することは、閉じ込もり、認知症の要介護者を減らすことになり、増税の回避につながる(我国は国債が世界最高額で、これ以上は不可。従って増税にならざるを得ず、識者のいう消費税三十%とはともかく、まず出来ることを行って、共に助け合い、より良き未来を迎えるための努力をする必要がある。)
 これから高齢を迎える人には、難聴予防も可能であることを知っておいてもらいたい。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2013年7月25日 木曜日

相談医:野田寛先生講演のお知らせ

2013年7月5日 金曜日

公益財団法人 沖縄県医科学研究財団主催の「市民公開講座」にて、
当会相談医である野田寛先生が講演されます。
皆様お誘い合わせの上、ぜひご来場ください!

【日 時】平成25年8月3日(土)
【講演会】14:00~16:00
【場 所】ホテルロイヤルオリオン 2F(旭の間)
【参加費】無料(申し込み不要)
【主 催】公益財団法人 沖縄県医科学研究財団   

●講演会(14:00~)

①「長寿を楽しむための耳の健康-百歳を越しても補聴器不要としよう!-」
講師:野田 寛(琉球大学名誉教授)

②「健康長寿の梯子を登るのはあなた!ですよ~一人一人が福寿を目指す~」
講師:平良 一彦(琉球大学名誉教授・名桜大学総合研究所客員研究員)

会場には、マイクの音を直接補聴器の中に入れる磁気ループを設置し、必要な方には補聴器の貸し出し(20台有り。販売、レンタル料一切ありません)を致しますので、聴こえに不安のある方もお気軽に御来場下さい。

お問合せ:公益財団法人 沖縄県医科学研究財団事務局
    
      (098)895-9010

【 地図 】


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  • 投稿日:2013年7月5日 金曜日
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