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附属診療所「補聴相談のひろば(耳鼻咽喉科)」長期休暇のお知らせ

2013年8月23日 金曜日

平成25年8月28日(水)~9月4日(水)まで、先生が学会出張の為、一週間ほどお休みになります。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願い致します。
診療開始は「9月5日(木)午前のみ診療」からとなります。
午後は出張で出かけますので、混み合うと診療できない恐れがありますので、お電話でのご予約をお願い致します。


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  • 投稿日:2013年8月23日 金曜日

【論壇】高齢者難聴にならないように!なっても適切な対応で、

2013年8月23日 金曜日

 私共、“難聴者の会”「特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会」が“補聴器適合運動”を、特に年々増加する高齢難聴者への対応、また近年はその予防“百歳を越しても補聴器不要にしよう)の活動が二十年になるが、これを知らない人が殆どで、日々高齢難聴者がコミュニケーション障害から、家族・社会より遊離・孤立し、精神的動物の人間は生きがい、生きる意欲を失い、閉じ込もり、寝たきり、認知症など、人生を駄目にしているのは非常に残念である。
 高齢難聴は、七十才以上で約半数に起り、高齢化率が二十%を越した我国では、その約半数が難聴なので、その数は膨大で、そのうち難聴の対応がなされている補聴器装用者は十~二十%、当県で五~十%、従って大部分の高齢難聴者は聴えないままで居り、前述の如く、現時点で少なくとも三~四割が人生を駄目にして、要介護状態にあり、このままの現状対応であれば、年々増加し、介護費・医療費は増加、国債もこれ以上増やせないので増税にならざるを得ず、識者が云うように、消費税三十%になるのも時間の問題であろう。
 世の中が段々シビアになり、当県でも家族の高齢難聴に対応する余裕がないからか (私共の難聴相談者の八~九割は私共のホームページなどをみて、家族が連れてくる)。
 高齢難聴の大部分は、耳を養っている血管の動脈硬化による血流障害で、従って、五~六十歳台より、これを起さないように生活をコントロールすれば、前述の如く、“百歳を越しても補聴器不要”は可能である。
 また、難聴に気付いても、そこで難聴進行を停止させることも可能で、同じ補聴器を装用するのにも、基本的な聴えが良い方が補聴器をうまく使えるので、これも重要である。
 更に、最近判明して来たのは、内耳の血流が改善されると、音を感じる細胞の機能が回復、高齢者難聴に特徴的な音の歪(ひず)み―音の大きくなり方が変る。従って“音は聴えるが言葉がわからなくなる”―が改善されることもわかって来た(補聴器は基本的に“音を大きくする”が、約一万個ある聴覚細胞の個々の音の歪みは改善できない)。
 補聴器はただ着ければ良いと云うものではない。一人ひとり聴え方が異なるし、メーカーにより音質も異なるので、どの補聴器が良いかは、本人にしかわからない。
 まず難聴にならないこと、なったら自分に合った補聴器で、良い人生を歩んでほしい。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)

※2012年(平成24年)8月19日琉球新報掲載


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