【論壇】聴覚障害による身体障害者の補聴器支援とその更新

2017年7月14日 金曜日

 先般、那覇市在住の「聴覚障害による身体障害者」に、「身体障害者手帳の再認定について」市役所より通知があった。

 確かに、私共が「身体障害者認定申請診断書」を作成する時、「再認定」を何時行うか記載するようになっているので、補装具(補聴器)更新の“五年”を目途に記載して来たが、今迄五年後の更新時に更新手続きが行われていないと、催促の通知を受けたのを知ったのが初めてなので、身体障害者の福祉が後退しつつあることが感じられる昨今、非常にすばらしいことと、感心させられている。

 「聴覚障害による身体障害者の補聴器支給」の五年毎の更新は、補聴器耐用年限と云うより、聴力悪化を前提に決められて来ていると思われるが、近年高齢社会が進行、年齢変化による難聴並びにその進行(近年、その大部分は内耳の血管の動脈硬化による血流障害と判明)停止できるようになって来ているので、私共NPO法人では、食事のコントロールと運動励行にて、動脈硬化が進まないよう、即ち難聴が進まないように、六ヶ月毎の聴覚分析を行い、具体的な指導をして来て居り、これを守っている患者さんは聴覚が悪化しなくなるのを確認している(補聴器行政が一番進んでいるドイツでは年一度の補聴器チェックが法律で制定されているが、現代の私共の知見より、彼らの食生活から動脈硬化が進行するので、難聴が進行し、補聴器の調整が必要になってくるのは、頷ける)。

 聴覚障害による身体障害者認定は、両耳の聴力がそれぞれ七十㏈(デシベル)以上で六級、八十㏈以上で四級、九十㏈以上で三級、百㏈以上で二級、また両耳の語音明瞭度(言葉の理解力。日本では五十音を使用)が両耳共に五十%以下になると、身体障害者四級に認定され、補聴器が支給され、五年毎に更新される。

 他の障害がある時には、それぞれの等級に指数があり、これを合算して等級が決定され、障害年金が支給されることもある。
 
 当県では、この聴覚書障害による身体障害者認定率は、医療の充実の経緯により他都道府県の五十%と低いので、認定を推進すべきと思っているので、地域の実情を把握している民生委員の方々などは、地域に衆知してほしいと思う。

 前述の如く、年と共に起る難聴の大部分は、耳の血管の動脈硬化と判明して来ているので、まず難聴にならにように、なったら適切な検査を受け、対応してほしいものである。

特定非営利活動(NPO)法人沖縄県難聴福祉を考える会
附属診療所「補聴相談のひろば」
相談医・野田 寛(琉球大学名誉教授)


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2017年7月14日 金曜日

コメントは受け付けていません。

最近の投稿
アーカイブ
カテゴリー