補聴器のビデオが完成 -人間らしい充実した人生を送ろうー

2009年2月2日 月曜日

 沖縄補聴相談センターではNHK厚生文化事業団の援助を受け、だれにでも分かる「補聴器取扱い方法」のビデオを作製した。貸し出し可(必要な方はダビング可)ですので、テキストとともに大いにご活用いただきたい。補聴器の信用がなく、「補聴器はガアガアうるさいばかりで、言葉が分からないから、いらない」と、恐らく必要な方の五分の一か、十分の一しか活用されていないと思われる。そして聴かなくてもよい生活に、すなわち社会や家族と没交渉になってしまっている人を多く見掛ける。

 しかし、補聴器は理論的、科学的に合わせれば、八~九割以上の人が、言葉が良く理解でき、十分満足していただけるようになる。高齢化社会に入り、聴覚障害者は増加している。聴こえが悪くなりだしたとき、良く適合した補聴器を得て、人間らしい充実した人生を全うしていただくために、当ビデオを作製した。

 一般に品物を買うときには、その品物についての基本的知識があれば、思い通りの品物を得ることができる。補聴器も同じで、その基本的知識を聴覚障害者、それを支える家族やボランティアに持っていただき、良く適合した補聴器に巡り合っていただきたい。

 一般に、高い品物は良い品物ということになっているが、補聴器に関しては、一人ひとり聴こえ方が異なるので、その人の聴こえに合っていないと、どんな高い補聴器も何の役にも立たない。補聴器を良く知り、補聴器をその人その人に合わせなければならないことを認識していただきたい。

 第一巻「補聴器の取り扱い方法」は、いろいろな補聴器の紹介、解説、特にそれぞれの補聴器の特徴、長所、短所などについて、また補聴器に慣れ親しむための方法、さらに補聴器が良く聴こえないとき、ハウリングのとき、故障か否かのチェックの仕方などをまとめてある。

 第二巻「補聴器のフィッティング方法」はどのようにしたら、補聴器がその人に合うようにすることができるか、すなわちどうしたら良く適合した補聴器を得られるかを解説した。

 まず聴こえの測定はSPLメーターで行う。通常の病院などで使っている聴力検査は診断用で、補聴器はこの単位で作られていないからである。

 SPLメーターにより、補聴器と同じ単位、同じ条件(イヤホンを使って)で測定した聴こえに同じ図面上で補聴器の周波数特性を書き込み、言葉を理解するのに必要な音域を中心に、不要な音はカットし、不快音域に入らないように調整する。このように合っているか否か図面上で見ることができるので、目でも確かめることができる。

 そして、補聴器適合はこれで終わるわけではない。否、これはむしろ出発点で、一人ひとりの環境音、生活音が異なるし、内耳障害のあるときは聴こえのひずみ(一人ひとり異なる)があるため、何回か微調整が必要で、その後も半年か一年に一度は聴こえと補聴器をチェックすべきである。

 聴覚障害者は人口の約四%、当県では四~五万人と、決して少なくない。これらの人々の充実した人生を心から祈るものである。

※平成7年6月14日(水) 縄タイムス [論壇]投稿 掲載の文です。 

 ●「補聴器の取り扱い方法」(平成7年作成)のビデオ がまだ ございますので、
  ご希望の方には、お譲り致します。ホームページに記載のメールか、電話・ファックスへご連絡 戴けましたら、対応致しますのでお気軽にお問い合わせ下さい。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2009年2月2日 月曜日

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