聴えの意識革命を!ー自分の聴えは自分で責任を持とうー

2007年10月11日 木曜日

 高齢社会になり、難聴高齢者が増加している。七十才以上で約半数が補聴器を必要とするほどになるので、当県では十万人以上と推定され、如何に多いかが分かろう。

 そこで、補聴器と云うことになるが、一人ひとり異なる聴え方に補聴器を適合する制度が確立されていなかった我が国では、補聴器不適合のため殆ど使用されていない。推計より必要な人の五~十人に1人(当県では十~二十人に1人ー宜野湾市の実態調査にて実証)、その結果コミュニケーション障害より、社会・家族から孤立し、寝たきり・認知症に繋がりかねない状況にある。

 このような状況になってしまったのは、日本人古来の“お上におまかせ”、“何々におまかせ”など、何かに、誰かにたよって「おまかせ」にしてしまうことによるところが多いと思われるが、如何であろうか?。補聴器の関係者、所謂専門家と言われる人などの言いなりに、“おまかせ”にしてきたことが、このような補聴器不評・不信を招いていることも一因と思われるので、そこで必要なことは、良く補聴器を使いこなすには、どのようにしたら良いのかを自分で考え、必要に応じ良き指導を受け、必要なことは自分で学んで、補聴器を良く使いこなすようにすることが肝心である。

 そして、これは当人にしか出来ないことでもある。補聴器適合者は、補聴理論に従い、補聴器を適合・調整して行くが、その際に当人がどのように聴えたいのか、何が不満・不足か、また何が障害となっているかを充分に表現してもらわないことには、行えない。

 人間の内耳には左右それぞれ約一万個の音を受け取る細胞があると言われ、それぞれどの高さの音を受け取るか決っており、丁度ピアノの鍵盤のように並んでいる(人間の内耳はピアノのように真直ぐではなく、ニ回転半している)が、補聴器を必要とするほどになる時には、これら内耳の細胞の障害が多かれ少なかれ生じて、それぞれの細胞が音の大きくなり方やにごり方などが変って来ており〔これを、音の“歪み(ひずみ)”と言う〕、この歪みは個々の細胞について測定することは不可能で、これら細胞の音の歪み方の総合として聴いているわけで、その人の聴え方、聴えの感覚と言うべきものであって、これに補聴器を適合させる時には、どのように適合させたら良いかは、その人にしかわからないからである。

 そこで、自分の聴え方には自分が責任を持ち、どのように聴えたら良いかは当人にしかわからないことであるから、自分で一番良く聴えるようにするにはどうしたら良いか、補聴器適合者などに訴えて調整してもらい、自分で追求する必要がある。

 私共「沖縄県難聴福祉を考える会」では、この「聴えの意識革命」をスローガンにし、自分の聴えは自分で責任を持ち、自分が一番良く聴える状況は当人しかわからないのだから、それを自分で追求する自己責任の意識を持つように働き掛けている。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2007年10月11日 木曜日

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