タンス補聴器

2007年6月4日 月曜日

 タンス(箪笥)が補聴器で音や言葉を聴くのではなくて、”タンスの中にしまってある補聴器のこと”の由、どうして?、補聴器はそれで音や言葉を良く聴くためのものでは?実に変な言葉である。仏壇の番をしているのはトートーメー補聴器と云うのであろうか!?

 聴こえに不自由し出して、補聴器を購入しても良く聴こえないことが多いようで、問い合わせに行くと、もっと良いものがあると推められるようで、また購入する。三~四個になると、多くの人が「補聴器は駄目なもの」と諦める。高額なので頭に来てすぐ捨てたと云う人もあるが、多くはそう安くないためか、使えないか又は使いたくないが、タンスの中にしまってる(本土では亡くなると、お棺の中に入れる由)。

 この”タンス補聴器”どのくらいあるのだろうか?難聴者は、高齢化率が二十%を越えた我が国では、十人に二人が高齢者、七十才を超すと約半数が補聴器を必要とする程に聴こえが衰えてくるので、国民のほぼ十人に一人は難聴高齢者と膨大な数なので、当県で十万人を越えると思われる。補聴器の評判を聞いて、購入しない難聴高齢者も多いので、それを考慮しても十~二十万台を越えよう。

 従って、補聴器を使用している人は、当県では十人~二十人に一人くらいと思われる。数年前の当県某市の実態調査では二十人に一人と云う結果であった。

 従って、大部分の高齢難聴者は聴こえないままでいるわけで、コミュニケーション障害のため、家族・社会より遊離・孤立し、精神的動物である人間は生きる自信を失い、閉じこもり、寝たきり、認知症などと、人間として生きて行けなくなる。実に悲しいことである。

 一方、聴えが悪くなり出した時に、適合補聴器ですぐ対応すると、人生はそのまま継続され、発展もさせられ、コミュニケーション良好で、社会・家族と良好に付き合って行け、正確な情報が得られるので、自分の人生をその時代にマッチするよう設計、亡くなる直前まで自立し、人生をエンジョイできる。

 平成十七年四月に「薬事法」が改正され、補聴器は管理医療機器に規定され、販売規制がなされ、販売補聴器は聴こえるようにする義務・責任があることになtっている。

 これにより、補聴器の適合状況は徐々に改善されて来ているようであるが、これを促進させるためには補聴器を求める人の声、即ち当事者の声が大切である。

 また、「補聴器相談医」制度(平成十八年四月、日本耳鼻咽喉科学会)も発足して補聴器は医師の診断の元に購入し、適合具合をチェックする態勢造りが始っている。

 即ち、購入補聴器で満足できない時は、それを訴え、簡単に諦めないこと、そして新しく購入するのではなく、購入補聴器で満足出来るようになる迄、訴え続けるべきである。

 このように、聴こえに不自由し出したら、適合補聴器を獲得し、死の直前まで、人間として、人生をエンジョイしてほしいものである。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2007年6月4日 月曜日

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