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難聴について|沖縄県難聴福祉を考える会

難聴は色々な原因で起こって来ます。
 外耳道に耳垢がつまっても難聴になり得ますし、更に空気の振動を伝える鼓膜、鼓室(中耳腔)、耳小骨の障害によっても起こります。このように、外耳道、鼓膜、鼓室など空気の振動である音を伝えて行く部分の障害による難聴を“伝音性難聴”と云います。
 音を感ずる細胞のある蝸牛(内耳)とこの音刺激を認識する大脳の聴えの中枢までの経路の障害による難聴を“感音性難聴”と云います。
そして、伝音障害と感音障害とが共に存在する時に“混合性難聴”と云います。

1.伝音性難聴を生じ得る疾患

外耳道疾患:先天性外耳道閉鎖症、耳垢栓塞、外耳道異物、耳よう・外耳道炎など

鼓膜、中耳疾患:先天性耳小骨形成不全、外傷性耳小骨連鎖離断、急性中耳炎、慢性(穿孔性)中耳炎、耳管(鼓室と上咽頭を結ぶ管)機能不全、中耳炎後遺症、鼓室硬化症(中耳炎などにより耳小骨が瘢痕性に硬化してしまう状況)、耳硬化症(耳小骨の一つ、アブミ骨が固着してしまう病気で原因不明、日本人には少なく欧米人、中国人に非常に多い)など

2.感音性難聴を生じ得る疾患

内耳障害による難聴(内耳性難聴)、突発性難聴、 老人性難聴、聴神経腫瘍(遺伝的に両側の聴神経にできる家系が当県にもあり、チェックを要する)など

3.混合性難聴

伝音性難聴による疾患に感音性難聴が加わり伝音・感音の両障害(難聴)がある時

加齢により生ずる“老人性難聴”は、早いか遅いかの個人差はあるものの、殆んどの人に生じ得ます。従来より70才以上で約半数が、90才以上になると殆んどの人が補聴器を必要とすると云われています。
 近年、加齢による難聴は内耳を養っている血管の動脈硬化であることがはっきりして来て、全身の老化(血管の老化)と同一と考えられるようになって来ています。(老人性難聴の患者さんの大部分は年々、徐々に悪化していたのに−琉大時代−、最近国民的課題となった“メタボリック症候群”予防のように、食事をコントロールし、運動励行−毎日コンスタントに1時間は歩いたり、体操などを行う−をしてもらっているとー補聴相談のひろばー、この10〜15年、80%〜90%以上の患者さんの聴力は悪化していませんし、内耳動脈の血流が改善されるからと思われ、最近「音の歪み(補充現象)」(聴覚細胞の障害により音の大きくなり方、濁り方が変り、正常な人が“1”大きくなったと感じているものが2〜3倍、場合によっては5〜10倍になって聴えるので、音が直ぐに入って来ないことで、音は聴えても、言葉がわからなくなる現象−何倍になっているか測定可)が改善し、言葉の理解力(最良語音明瞭度)も改善してくることがわかって来ています。言葉の理解度が改善してくると人生が楽しくなるらしく、ニコニコ顔となり気力に溢れていて、最初来院した時には、あんなに暗く、静かだったのにと思うことがしばしばとなって来ています。
 即ち、老人性難聴は予防−若年時より認識し心掛けているとよい−、進行防止、語音明瞭度の悪化防止、改善が可能となっています。(前述の私共の「高齢難聴者の早期発見・早期対応」の活動で、老人クラブ、ミニデーサービス、自治会などにて、この難聴の予防・進行停止・内容の改善と健康講話を行い、百歳を過ぎても補聴器が不要となるよう指導しています)

この難聴の前兆としての耳鳴は“中性脂肪”との関連が、メマイ・フラツキ(前庭・三半規管の障害)と“総コレステロール”との関連は、20年以上前よりわかって来ています。

脳梗塞、心筋梗塞と同様、内耳の血管の梗塞により急に難聴となることがあります(突発性難聴)。(突発性難聴は急に聴えなくなると云うだけで、他にウイルス性のものや血管攣縮なども考えられますが、熟年、高齢者の場合はまず梗塞を考えて良いと云えます)

耳鳴り、メマイ、フラツキ、難聴は高脂血症が関連している場合、これを改善させることにより消失、改善がみられます。

近年、難聴の様相が変って来ているのを感じます。即ち、聴えが悪くなるだけでなく、言葉の理解力が悪くなっている人が多くなって来ています。これは音を感じる聴覚細胞の機能障害で音の歪みを生じ、音の大きくなり方、濁り方が変り、正常の人が“1”大きくなったと感じるのが、数倍、数十倍に大きくなり、音が真直ぐ入って来ないので、音は聴えても、言葉がわからなくなる現象で、現在、音について何倍になっているか、また語音明瞭度検査で言葉がどの位理解出来るか出来ないか、その内容を把握出来ますが、この現象は、内耳の血流障害によるものと思われ、「食事のコントロール」と「運動の励行」により、改善し得ることもわかって来ていますが、こうならないようにするための生活を心掛けることが重要です。

補聴器を装用しても会話が不能となった時には、「人工内耳」埋め込み手術があります。日本では機器のみで約100万円しますが、近年健康保険に採用され、両耳の言葉の理解力が共に50%以下で、聴えのレベルが70〜90dBの方が該当し、高額療養費制度などにより、約15万円(市町村により異なる)の自己負担により、手術が受けられるようになりました。両耳の聴力が共に90dB以上で、言葉の理解力が両耳共に20%以下になると、福祉で無料で手術が受けられ、年齢制限はなくなっています。(ドイツでは“両耳に人工内耳を入れるのが権利”となっているようです。)
この「人工内耳」は、欧米の成功例により、一側聾(先天性、後天性−幼児期のおたふくカゼ羅患によるものや交通事故などによる内耳震盪症など−)にも、「禁忌」でなくなり、適用される方向にあるようです。