アブミ骨筋反射(耳小骨筋反射)検査|補聴相談のひろば

アブミ骨筋反射検査|補聴相談のひろば

一側耳に音を与えると、両耳で反射が起こります。一側耳に音を与えて反対側の耳に起こる反射を“反対側性反射”、一側耳に音を与えて同側の耳に起こる反射を“同側性反射”と云います。

この反射は、鼓室内の三耳小骨の一番奥にあるアブミ(鐙)骨に付着している筋肉(アブミ骨筋―顔面神経支配―)が緊張し、一定以上振動しないよう抑えてしまう反射です。外界から、どんな音が入ってくるかわからず、強大音(振動)で、鼓膜や内耳などが損傷されないよう防御するようになっています。

この反射が出現すると云うことは、内耳の聴覚細胞で音刺激を受け、それを聴神経を含め、神経を5回乗り換えて大脳の聴こえの中枢で音を認識する経路が機能していると判断されます。

また、この反射域値と純音聴力検査域値との差より、補充現象(聴覚細胞の障害により音を感ずる大きさが変り、正常時の倍〜数倍に大きくなる現象)の有無が判定され、内耳障害の有無が判定出来ますし、補聴器適合を行う時に各周波数における補充現象の有無、その程度が参考となります。

耳鳴りについても、その周波数並びに大きさが測定出来るとその周波数における補充現象の有無により、障害部位診断が可能なこともあります。

また、耳硬化症、鼓室硬化症、先天性耳小骨連鎖異常、機能性難聴、詐聴などの診断に役立ちますし、また顔面神経麻痺の障害部位並びに予後判定に応用出来ることがあります。