聴覚障害者への適切な対応を!ー手話・要約筆記などと補聴器ー

2008年4月2日 水曜日

聴覚障害者への対応として、手話・要約筆記などは非常に有名で、福祉や身体障害者などの大会、会合では必ず手話通訳者と要約筆記者が対応していて、聾・高度聴覚障害者が充分に理解し、充実した時間を過ごせるようになり、非常に喜ばしいことであるが、一方補聴器対応の軽度~高度聴覚障害者への対応としての集団補聴装置(磁気ループ、FM方式、赤外線方式など)などの対応が全くと云ってよい程なく、非常に対照的で、とても残念なことである。

 聴覚障害者数は、まず手話・要約筆記など対応の聾・高度聴覚障害者は全国で約“十万人”(厚労省統計)、当県では昭和40年出生の先天性風疹症候群聾約400名を加え千数百名であるのに対し、補聴器対応の軽度~高度聴覚障害者は、高齢社会に入り高齢化率が20%を越した我国では、70才以上で約半数が補聴器を必要とするようになるので、全国で“1千万人”を、当県でも10万人を越す膨大な数になっている。

 そして、これら膨大な数の補聴器対応の聴覚障害者が、前述の福祉や身体障害者の大会、会合からシャットアウトされるばかりでなく、欧米先進国からみると、社会参加からシャットアウトされている状況にあるあることは実に悲しむべきことである。前述の集団補聴の中で、私共がまず「磁気ループ」設置を推進しているのは、我国の補聴器の半数にこの磁気ループ切り換えのスイッチ(「T」)が付いているからで、他の方式ではそれぞれ専用の発信装置と同時に専用の受信装置が必要となってくるので、磁気ループ方式が安価で早道だからである。

 そして、欧米先進国では、この集団補聴装置が、人の集まる所に設置されているのが常識で、集会場、講演会場、劇場、音楽会場などばかりではなく、役所や病院などの窓口に設置されているので、難聴になっても社会参加により人生をエンジョイ出来るし、何かあっても人に頼ることなく、自分一人で対応・処理が出来るので、自立して行けるようになっている。

 いつもアピールしているように、高齢社会進行により、前述の如く高齢難聴者が膨大な数になって来ているので、これらの人々にまず適合補聴器を獲得させ、これに加え集団補聴装置の社会整備により社会参加を可能とさせることにより、大統領時代に補聴器を活用していたレーガン・クリントンのように、人生をそのまま継続・発展させ、コミュニケーション良好で家族・社会と仲良く付き合い、正確な情報にてその時代にマッチした人生を模索、人生をエンジョイ、亡くなる直前まで自立、人間としての人生を全うさせるようにするべきで、前述の対応が出来ないと、コミュニケーション不良、社会参加不可で家族・社会より遊離・孤立、精神的動物である人間は生きて行く自信、意欲を失い、閉じ込もり、寝たきり、認知症などに追いやられ、老人医療費や介護の増加を招き、増税へと、そして市町村民債、県民債、国債の増加が加速され、日本全体が“夕張市”になる日もそう遠くないと思うのは小生だけであろうか。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2008年4月2日 水曜日

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