高齢社会に増え続ける高齢難聴者 ー その適切な対応をしないと、我が国は!?

2007年6月15日 金曜日

 高齢社会が進行、難聴高齢者が増加している。七十歳を越すと約半数が補聴器を必要とするように聴えが衰えてくるので、高齢者が人口の二十%を越えて来た我が国では、その約半数が難聴なので、人口の一割を越えつつあり、膨大な数になって来ている。

 これらの難聴高齢者に適切に対応が出来ないと、コミュニケーション障害より、家族・社会より遊離し、精神的な動物である人間は人間として生きて行く自信を失い、年も年だからと人生を諦め、閉じこもり、寝たきり、認知症など、人間として生きて行けなくなる。

 約十年前に、「沖縄県の長寿世界一」宣言がはっきりと行えなかったのも、沖縄県は確かに長寿だが、殆ど寝たきり、認知症で、人間として生きていないのに、長寿と云えるかと云われてしまったためと云われる。

 難聴には補聴器で対応と云っても、補聴器の評判は相変わらず悪く、必要な人の五~十人に一人(当県では十~二十人に一人)しか使われて居らず、殆どの難聴高齢者は聴えないままでいるので、前述の寝たきり・認知症になる可能性が高い。

 従って、現状のままで推移して行くと、老人医療費・介護費はうなぎのぼりに増加して行き、増税とならざるを得ないし、高齢者の医療・福祉の切り捨てをしない限り増税だけでは賄いきれず、国債、県民債、市町村民債の増加に繋がり、恐らく日本全体がいずれ破産状態となり、北海道某市の状況になろう。

 「難聴」への関心が殆どないのは視覚障害者や肢体不自由者のように、目に見えないからで、難聴になるとコミュニケーション障害となり、うまく人と話が出来なくなるので、なるたけ人と話さない、話し掛けられると困るので、人々の前に出て行かない。そして、閉じこもり、寝たきりなどとなって行く。

 このように一般人には目に見えないので、殆どの人に関心がないのも頷かれるが、これが人口の一割を越え、それが前述のように国民全体に重くのしかかって来るのであれば、国、国民全体で適切に対応すべきである。

 そして、それは可能である。近年、老人性難聴は耳を養っている血管の動脈硬化であることが判明、予防も進行防止も可能であり、適合補聴器獲得も、「薬事法改正」、「補聴器相談医」の制度化など法的、制度的に改革がなされ、可能となって来ている。

 従って、まず難聴にならないよう、進行しないよう、国民全体で対応すること(現在の若・中年層もいずれなる可能性が高いので)、そして聴えに不自由したら、すぐ適合補聴器で対応、人生をそのまま継続、発展させコミュニケーション良好で、家族、社会と仲良く付き合い、正確な情報で人生設計をその時代に合わせ見直し、亡くなる直前まで自立、人間としての人生を満喫、全うすることが出来る。

 そうなれば、老人医療費は軽減、介護費は殆ど不要となり、減税へ、国債などが軽減、明るい未来に夢を持てる社会となろう。


  • カテゴリー: 論壇
  • 投稿日:2007年6月15日 金曜日

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